Ripple社の野望|Ripple社のやりたいこと
2020年12月23日にSECに提訴されたRipple社ですが、2022年も終わろうとしている昨今、その裁判にも終着の見通しが立とうとしています。
『お金とはデータである。現代の技術があれば、お金を情報と同じレベルで自由に摩擦なく送信できる』①流動性管理の基盤となる「XRP」②価値の相互運用プロトコル「ILP」そして、③その価値を移動させるための方法をプログラミングするある種のメカニズムを組み合わせる。
※WorldFirst+Kyribaはライバル?
Ripple社のやりたいこと『価値のインターネット(IoV)』については、Ripple社を創業したChrisLarsen氏とXRP元帳の開発者でもあるDavidSchwartz氏の対談が非常にわかりやすいです。
※日本語字幕が活用できます。
- 現代の技術があれば『価値のインターネット(IoV)は必ず可能』
- 1万分の1セントを送金したいプログラムが多数ある。それが可能になる
- XRPは、流動性管理の基盤
流動性管理にXRPが活用されています。
Ripple社の事業としては、On-Demand Liquidity でAIが導入されるなど、着々と駒を進めてきているイメージです。※従来の予測とくらべて、ビジネス進捗ペースはスローですが。
Ripple社の業績としても、非公開ではありながらも、RippleNetの販売にかかる利益で十分に収益をあげている雰囲気があります。
金融の未来像とWeb組み込み型のお財布のページにもある通り、Ripple社のやりたい将来像としては、お金をデータとして扱えるようにする。お金をデータと同じように送信できることで、インターネット・Web上で本当にすぐに誰でも支払いが即完了する。
支払を気にするまでもなく、もうすでに支払いが終わっていた。
という状況を目指しています。
足元でODLの利用量は、$150億ドル/2021年⇨$300億ドル/2022年 へと倍増しています。
Rippleライバル|Kyriba
ところで、エンタープライズ流動性管理・財務管理システム『Kyriba』は、世界中の巨大企業が活用している流動性管理システムであり、企業の流動性管理という面においてRipple社のODLと競合する可能性があります。※これは見当違いかもしれません。
よく考えてみれば、RippleODLを活用しているのは、MENA地域や東南アジア、などのエキゾチック通貨地域が中心であり、『Kyriba+WorldFirst』がAmazon的な立ち位置として、『RippleNetODL』がShopify的な立ち位置かもしれません。※つまり、顧客の性質に違いがある。
お金とはデータであり、『流動性管理の基盤となるXRPとInterledgerにより、価値のインターネットは実現可能である』という信念に基づき、XRPを流動性管理ツールとして今後さらに革新的な技術が開発されていくことが期待されます。
Ripple社の野望|お金をデータとして送信できるようにする
お金はそもそも、データです。しかし、システムが分割されているせいで『相互運用性』に問題があり、インターネット上で支払いをしたり、実店舗で支払いをするうえでの利便性がまだ十分に発揮されていません。
たとえば、あなたが現在読まれているこのブログに、0.1円の支払いをしていただけるとして、現在はそのようなシステムを実装することができません。
(※1回0.1円なら、1万PVで1000円です。かなり現実的な数字です。)
- ①ブラウザから支払う|Coil
- ②アプリから支払う|Coil
Interledgerの相互運用性プロトコルにより、RippleからのスピンアウトであるCoil社は、このようなWeb収益化の新たな側面を創り出そうとしています。
Ripple社がやろうとしていること
Ripple社がやろうとしていることは、まず…、
- RippleNet|金融インフラの次世代化
- ODL|XRPによる、革新的な為替流動性管理
古くなっている金融・為替インフラ(決済のとおりみち)を次世代化して更新しつつ、
その『次世代化された決済インフラ』を上手に活用し、『Coil社』などのWeb支払いや、『Tiger Beetle』などの財務データベースなど、支払いシステム全体で、
『お金をデータとして扱える』という野望を実現することにあります。
そのための、①Interledger、②RippleNet・ODL、③Coil社、④PolySign、⑤TigerBeetle、など、さまざまな分野で専門的な企業が配置されており、すべては『お金をデータとして扱う』という金融の未来・Web支払いのためにおこなわれていることです。
≡Ripple社がやろうとしていること
- RippleNet|決済ネットワーク(インフラ)
- お金のデータ化(トークン・SideChain)
- Interledgerアドレスによる送金
- Coil|Web収益化(ブラウザ支払い)
⇨結果として、金融の未来を実現する。
これが『Ripple社の野望』であり、やりたいことです。
[ChrisLarsen:価値をデータのように送信する]
Ripple社の野望|そんなこと本当にできるの?
そんなこと本当にできるのか?
と思ったそこのあなた。その見極めにはRipple社のビジネス進捗を見守ることが必要です。
≡Ripple社のビジネス進捗
- RippleNet:ODL|予定より遅く見えるが、コツコツ順調に進捗あり
- NFT・ゲーミング等|こちらも、コツコツといった感じ
- Coil・Web収益化|迷走しつつも、コツコツ前進
- Interledger|進捗あるのか微妙だが、Dassieには期待
- Mojaloop|水面下でコツコツな印象
全体的に、コツコツと継続的に進捗している印象が強く、従来(2017年~2018年)に期待されていたほどの進捗状況ではないにしろ、まぁ種をまいていたぶん、芽が出てきているものも多いかな。
という印象ですね。
『破壊的イノベーション理論』にもある通り、革新的な技術であり、継続的な革新がくわえられていることから、市場で追いつけないほどの優位性を獲得した時点で、一気に大きな市場でも通用するようになる可能性がなかなか高いのではないでしょうか?
流動性管理|ODLにはAI技術も組み込まれたようです。(2022年)
JPモルガン|Partior など、注視すべき動きも多少はありますが、いまのところ、まだ結果がみえてこない『種まき段階』であり、ODL方面では躍進しつつある。(とくに、中東・アフリカ地域で顕著)といった状況のようです。
ODLの技術も開花・成熟し、2022年以降、これから面白くなってくるのではないでしょうか?
2025年~2027年に期待ですね。
RippleNetODLは、本当に効率的か?
RippleNetODLの基本的な仕組みとして…、
- ①ウォレットAから、XRPを送金する
- ②取引所Bで、XRPを現地通貨に換金する
- ③取引所Aで、XRPを買い戻す
このような流れで送金をおこなうと説明されています。
しかし、素人目で考えても、わざわざ送金毎に取引所を通して送金をおこなうシステムは非効率的であり、手数料の面からみても『価値のインターネット』と呼ぶにはあまりにも疎か(おろそか)です。
ODLは2018年より本格運用が開始されたソリューションであり、現在おおやけにされているシステムが最終段階だとは考えにくく、RippleNetがInterledgerを採用した送金決済ネットワークであることから、ODLはRippleNet内でベースとなる流動性管理ソリューションと位置付けられていく可能性があり、ODLの方式はInterledgerに準拠して決済がおこなわれることが考えられます。
つまり、RippleNet内で流動性を提供するODL顧客が『流動性プロバイダー』となり、2者間での決済をXRPにより効率的におこなうネットワークを形成し、最適経路選択アルゴリズムにより送金をおこなう『Interledger』の仕組みを最終的には採用する目算があるのではないでしょうか?
こうでなければ、『価値をデータのように移動できる(IoV)』とは言えず、単に取引所を通してXRPで決済をしているだけ。という形であり、それはすこし違和感があります。
あとは、SideChain技術とCBDCプライベート元帳は確実に関与してくるかなと。(予測です。)
『価値のインターネット』に関して
『価値のインターネット』に関しては、今後XRP元帳SideChainでのEVMチェーン開発・実装も相まって、XRP元帳のあらなた活用方法が~2025年頃までに活発になる可能性があります。
- XRP元帳DEX+AMM
- EVM SideChain
- CBDC プライベート元帳
- ネイティブNFT(XLS-20)
XRP元帳の活用方法として期待できる技術は数々あり、Ripple社の理論で言えば、XRPは『発行者・管理主体のいない公共のデジタル資産』として、重要な流動性管理ツールに位置づけられています。
2022年現在、RippleNetODLは道半ばであり、今後~2025年までに大きく状況は変化していく可能性があります。2019年には絶望されていた『TESLA社』の株価も、2020年には10倍以上(テンバガー)を果たしています。
株価や相場には、そういった側面があります。
市場全体が懐疑的な要素で満たされているとき、ついついその雰囲気に飲まれてしまいそうになる一般投資家が多いですが、市場が懐疑的な時にこそチャンスがあります。
2022年11月現在、『RippleXRPは本当に大丈夫なの?』と懐疑的な人がおおいかと思います。
しかし、足元では…、
- ①RippleODLの拡大・改善
- ②CBDCプライベート元帳の実験
- ③SideChainの実装/EVM
- ④ネイティブNFT
- ⑤XRP元帳DEX+AMM
- ⑥InterledgerDassie
- ⑦PolySign/PolyNet
- ⑧その他(TigerBeetle、Mojaloop)
これらのプロジェクトが同時並行的に進行している状況です。
XRP元帳 EVM SideChain
XRP元帳 EVM SideChain は、第1フェーズ(全3フェーズ中)がDevネットで実装されています。第2フェーズは2023年初旬を予定しています。
Native token:Native token has to be the XRP(ネイティブトークンはXRPでなければいけません)
XRP元帳 EVM SideChain:
- Cosmos-Tendermint(PoS)で実行される
- XRPがネイティブトークン
- peersystとrippleが提携
EVM SideChain は、XRPネイティブトークンによる『Cosmos-Tendermint・PoSチェーン』であり、PoSからの金利を得るために、大量のXRPがPeersystのEVM SideChainにロックされることが考えられます。
PolySign|PolyNet
PolySignは、暗号資産の即時自動決済を実現するPolyNetを構築する予定です。
- 2023年第1四半期にPolyNetを開始する予定です
PolySignは、暗号資産版の『FIXメッセージング(証券のメッセージング)』に相当するものを構築しています。※
証券トークン・STO関連で、Corda等を接続する「PolyNet」ですかね。( 一一)
STO/デジタル資産の発行は、あきらかにあらたなファンディング方法であり、市場規模が拡がるかどうかは別として、ある種の期待が寄せられている分野です。
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