RipplevsSEC裁判の概要
SECの主張
XRPの購入者は、合理的に将来の利益を期待してXRPを購入しており、Ripple社の努力によってXRPの価格は上昇するため、これは投資契約に該当し、Ripple社は違法な証券を販売している。
違法証券の販売であり、法律違反だ。
Ripple社の主張
XRPの価格はRipple社の活動に連動することはなく、XRPは証券ではなくデジタル資産である。
争点は、Ripple社が販売したXRPが証券かどうか?
ここで…、
原告であるSECは、Ripple社が販売しているXRPが「証券であること」を証明する必要がある。
XRPが証券かどうか?が裁判の焦点。
証券かどうか?を決めるHoweyテスト
過去の判例で、オレンジ畑を販売したHowey社の裁判で「オレンジ畑の土地を購入した人が、土地をHowey社に貸し出して、その土地で出た利益を還元する」というモデルは、オレンジ畑の購入によりHowey社の努力により合理的に利益を期待できるものを「土地」という形を変えて販売しているだけの「証券である」という判決が出ました。
そこで、何かが証券であるかどうか?を判断する際には、アメリカの裁判では「Howeyテスト」を使うことになります。
Howeyテストの条件:
- ①人がお金を共通の事業に投資していること
- ②事業者または第三者の努力のみから利益を期待するように導かれる
書面により契約があるかどうかは関係なく、「①共通の事業に投資しており」「②事業者または第三者の努力の実から利益を得ることを期待するように導かれている」場合には、Howeyテストにより証券性がある。
と判断されます。
RipplevsSEC裁判においてもこの争点について議論されます。
Ripple社の主張
- ①共通事業ではなく、ユーティリティのあるデジタル資産を販売している。
- ②XRPの購入者は、Ripple社の努力によって合理的に利益を期待できる状況ではない。
⇨よって、Ripple社のXRPの販売には証券性はない。
SECの主張
- ①Ripple社はデジタル資産XRPを活用した決済ソリューションという共通事業を運営している
- ②XRPの購入者は、Ripple社の努力によってXRPの価格上昇による利益を得ることが目的でXRPを購入している。
⇨原告SECは、これを裁判所に立証する必要があります。
※とくに、XRPの購入者がRipple社の努力によってXRPの価格上昇による利益を期待していたかどうか?を証明するのは難しい点です。
考察:XRPは「証券」ではなく「デジタル資産」
冷静に考えて、XRPは従来の枠組みにおける「証券」ではなく、「デジタル資産トークン」に該当するものです。
ですから、米国議会は従来の「証券法」によりデジタル資産を規制するのではなく「デジタル資産トークン販売法」をあらたに制定すべき状況かと。
XRPの購入者は、合理的にRipple社の努力によりXRPの保有から利益を得られると誘導されている状況とは言い難く、下がるかもしれないが、自身の調査によりXRPの将来的なユーティリティによる需要、および仮想通貨業界全体のバブルに期待してXRPを購入した人がほとんどです。
ですから、Ripple社の努力によりXRPから利益を得られることを合理的に期待できるように誘導されているとは言い難く、裁判でSECが「XRPは証券である」と証明するのは難しいです。
⇨合理的な利益の期待を保証するような内容はどこにもないため。
SECのヒンマン・Eメール
以上のように…、「XRPは証券であるかどうか?」が裁判の争点なのですが、実際には元SECディレクターのウィリアム・ヒンマンが20XX年に受け取った「Eメール」の内容を開示するかどうか。という争論に切り替わりつつあります。
ヒンマン・Eメールは裁判の重要証拠であり、裁判所の判事はEメール内容の証拠としての開示を命令しています。
それにもかかわらず、SECは独断で「Eメールの公開は必要ない」とゴネている状況であり、裁判所の命令を無視して、証拠の開示をおこなわない状況です。
これでは、裁判の判決を決めるための証拠が集まらないため、裁判を進めることがむずかしくなります。ですから、このような状況から、大方SECvsRippleではSECが負けるのではないか?という予測が出ています。
XRPの証券性を議論するために必要な証拠が提出されない状況です。
まとめ
RipplevsSEC裁判は、2020年12月~から議論されています。
証拠開示プロセスでSECは裁判の「遅延作戦」を取っており、通常の裁判では判決まで行く前に「和解」で決着する可能性が高いです。
和解内容としては…、
- SECに対する罰金の支払い
- 裁判費用の補償
- XRPの証券的な販売方法に対する規制
これらの内容を含む可能性が高いですが、これまでの裁判プロセスを見る限り、Ripple社に有利な形で和解する可能性があります。
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