Rippleライバル|Partiorとは何か?
JPモルガン・DBS・TemasekによるCBDCプラットフォーム
Partiorとは、ブロックチェーンベースの国境を越えた清算・決済のためのネットワークであり、プロジェクトUbinの研究に基づいて、
JPモルガン・DBS銀行・TemasekのJV:ジョイントベンチャーとして設立された銀行間決済システム(ベンチャー企業)です。
※Temasekは、シンガポールの政府系投資ファンド
Partiorの業務:ブロックチェーンによる銀行間決済
- 複数通貨の清算(クリアリング)と決済(セトルメント)
- FXの支払いvs支払い(PvP決済)
- FXの日中スワップ
- 配達vs支払い(DvP決済)
プロジェクトUbin フェーズ5のプロトタイプ
プロジェクトUbin(2016~2020)は、JPモルガン・シンガポール中銀が主導しておこなわれたCBDCの実証実験であり、PartiorはプロジェクトUbinの実証実験の結果をもとに構築されています。
プロジェクトUbinのフェーズ5では、クロスボーダーCBDC決済の実践的なプロトタイプが開発され、EthereumベースのQuorumブロックチェーンインフラで構築されたシステムにより、実証実験がおこなわれました。
Quorumインフラ+INN(Liink)+JPMコイン
Ubin-Ⅴの機能
- ①元帳相互接続(トークン化):参加銀行は、標準預金口座運用元帳とブロックチェーン元帳を容易に接続し、資産のデジタル化(トークン化)をおこないます。
- ②UI/API接続:API接続により、デジタル通貨の残高に関する指示・管理が可能です。
- ③ゲートウェイ通信:Ubin-Ⅴの外部システムに接続できます。
- ④デジタル通貨(CBDC):CBDCを発行・管理できます。
スマートコントラクトにより、外部の決済システムと相互運用が可能な仕組みです。
Partiorの歴史と経緯
- 2016:プロジェクトUbinが始動
- 2020:プロジェクトUbinは、国境を越えたCBDC決済システムのプロトタイプを開発
- 2021:Partiorが SGD と USD で稼働
- 2022:2月 – 2022年中に搭載する8つの通貨を選択
5月 – プラットフォームと法的文書の最終決定
6月 – 商業的拡大
Partiorの強み
- シンガポール政府系ファンドTemasek
- シンガポールドル(SGD)と米ドル(USD)による運用
- 順次、通貨を拡大する予定
(2022年末までにGBP、EUR、AUD、JPY、CNH、HKD を含む 8 つの通貨を有効にする予定)
DBS の Lim Soon Chong 氏は、Partior とスター アライアンスのような航空連合との類推を示しました。人や物資を運ぶのではなく、情報やお金を扱う。航空会社が幹線ルートまたは地域ルートに対応し、他の交通手段と接続する可能性がある場合、彼は銀行が Partior の幹線ルートを処理することを想定しています。送金会社が地域のルートを管理するか、スペシャリストがグローバルに証券を提供する場合があります。また、航空会社と同様に、他のパートナーと連携する必要があります。
SWIFT は、すべての中央銀行が 1 つのプラットフォームまたはソリューションを採用する可能性は低いと指摘しているため、相互運用できることが重要です。
JPモルガンLiink(Interbank Information Network)
JPモルガンLiink(Interbank Information Network)は、単に効率よく情報を交換するための情報通信ネットワークです。
Liinkには、2つのソリューションがあります。
- Resolve:お金を移動しようとしている対象に関するスクリーニング
- Confirm:支払先の受益者が正しいかどうかを確認できるアプリ
Liinkは単独で運営されるのではなく、銀行のほかのクリアリング製品と組み合わせて使用できるようになっており、Onyx(Liink)は送金システムとして「Wise、Tranglo、NIUM、InstaREM」などのフィンテックと競合するようです。*
Partiorとリップル
Partiorは、銀行預金元帳のトークン化およびCBDCトークンを発行し、効率的に相互運用をおこなう仕組みであり、特にシンガポール:SGDで初期の採用が見られます。
対して、リップルはデジタル資産XRPを活用した流動性ソリューション「On-Demand-Liquidity」のほか、XRP元帳サイドチェーン技術を活用したソリューションなど、暗号資産元帳技術に関して一日の長があり、すでに銀行間決済システムとして3年のリードがあります。
- SGDでは、Partiorが優位かもしれない
- Rippleは中東・東南アジア・南アフリカ等で拡大
- システム間の相互運用性は確保される(はず)
例えば、Amazonは優れた通販サービスだが、楽天もあれば、メルカリもある。
RippleNetが優れた国際決済システムだとしても、Partiorや、その他の国際決済システムも用途に合わせて使い分けられる(はず)
Rippleの強み
- XRPを活用した、ODL決済
- 流動性管理についての特許
- Interledger、Mojaloop等
別件:資産のトークン化
- Clearstream
- Northern Trust
- SETL
- など
そのほか
- Dragonfly Fintech:「nCore」システムによる、効率的なデジタルバンキング・CBDC・貿易金融、ブロックチェーン活用による効率的な銀行システム。BIS2022受賞
- IDEMIA「Secure Offline CBDC Payment Solution」:安全なオフライン決済CBDCウォレット技術。デジタル現金。BIS2022受賞
(レイヤー2を活用したオフライン決済) - FINASTRAはContourを統合:貿易金融の信用状ブロックチェーン
- Rippleライバル|Finality(旧Utility Settlement Coin)*
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